iRhino & Sailboat Championship (iPhone&iTouchアプリ) [雑記]
ポーランド旅行記 [雑記]
ポーランドの電車
寝台列車みたいに向かえ合わせの席がひとつのコンパートメントになってる。写真は一等客車、6席ワンセット。
2等客車は8席つづ。
行きの電車
飛行機が遅れて、23時45分GDANSK発の最終列車に乗り遅れる。
急遽市内のホテルに泊まる。
受付のおねーちゃんが英語をしゃべれて助かった。
でも、お昼から何も食べてなかったにも関わらず、ここでもレストランはしまってるし、外に行ってもどこも開いてないよって言われる。
空腹に鳴るお腹を抱えて就寝。
翌朝、ビュッフェ形式の朝食をたらふく食べる。
タクシーで駅へ。
渋滞で駅に着いた時、予定していた列車の時間まで残り五分。
チケット売り場へ。
おばちゃん、英語わからんらしい。
知り合いから、出来れば1等客車に乗るようにと言われていたので、昨日乗り損ねた列車のチケットを見せ、指で1をつくり「First class」を連呼するも、通じず。
発車時刻も迫っていたので、しかたなく2等客室に乗る。
指定席のお値段は15ズウォティー(450円くらい)。
2時間程の旅、多分150kmくらいじゃなかろうか。
運賃は52ズウォティー(1560円くらい)。
指定車両(この国ではWAGONというらしい)の自分の席へ。
途中、英語圏の若い兄ちゃんに指定券の読み方を教えてやる。
まぁ、私が聞きたいぐらいだったが。。。
コンパートメントに着くと、人のよさそうなおばあちゃんがひとり。
早速、何事かポーランド語で話しかけてくる。
おいら、涙目。
英語でポーランド語しゃべれんと連呼するも当然通じず途方にくれる。
そこで、空港で買った辞書を片手に単語を並べてみた。
Nie movic po polski.(にぇ もーびっち ぽ ぽるすきぃ)
(↑これ、あとから聞いたところまちがってる事が判明。正しくは動詞と名詞の語尾が変化してちょっと違った形になる。)
ん?
なんか不思議な顔した。
で、微妙に発音を正される。
この時は、単に発音がおかしいと思ってた。
はずかしい。
しばらくして、酒くさーいおっさんがよだれをたらしながら、私とおばちゃんのコンパ(コンパートメントです)に乱入。
いやーな予感。
案の定、絡まれる。
さっき正してもらった言葉を連発するも、おれのポーランド語が通じないのか、それともおっさんの頭が逝ってしまっているのか、おっさんおかまいなく怒鳴りまくってる。
ドイッチェランドがどうとか言ってる気がするが、とにかくわからん。
金をせびりたいのかもしれんが、よだれを撒き散らしながらまくし立てる生き物に慈悲など与えぬわぁ!
ここでおばぁちゃんが自分のかばんからデニッシュを取り出し、悲しそうな目でおっさんに差し出した。
一度は受け取るも、デニッシュより東洋人に首っ丈らしい。
参った。
本当に参った。
頼むから消えてくれと。
捨てられた猫のような目でおばあちゃんの方を見ると、済まなさそうな顔をしてる。
いや、おばぁちゃんのせいじゃないから。
基本は無視しながらも、時たま鋭い視線を投げつけてやったが、どうやら完全に居座りモードの構え。
依然、よだれを垂らしながらまくし立てるおっさんに、おばぁちゃんティッシュを差し出す。そして、無言で首を横に振っている。
おばぁちゃん、あんたなんてやさしいんだ。
その後、車掌がさっそうと現れ、おっさんをデッキに連行。
ちなみに女性の車掌だった。
あまりの毅然とした態度におっさん涙目。
まぁ最初からよだれに加え、涙と鼻水でぐしょぐしょだったが。。。
止まる予定に無かった駅で電車が停車し、おっさんは軍服をきた兄ちゃんたちに文字通り引きずられていった。
その後、警察官たちが乗り込み、おばぁちゃんから事情聴取しさっそうと去っていった。
え?おいらを無視ですか?(笑)
まぁ別に危害を加えられたわけではないので、ポーランド語でいろいろ聞かれるよりはスルーの方が助かったと言えば助かったんですが。
その後、おばぁちゃんが戻ってきてハグしてくれる。
もしかして、あのおっさん、そんなにひどいことを言っていたのかと、カッチーンとくるも、よくよく考えると大阪の環状線ではもっとひどい酔っ払いに遭遇したことなんでたくさんあるし(なぜか違う人に2度も売店で牛乳をご馳走になったことがある)と気持ちを沈める。
その後、またコンパートメントでおばぁちゃんと二人きり。
相変わらず、いろいろ話しかけてくれるが、ちっともわからず。
そして、おばぁちゃん、カバンの中から小さな巾着を取り出し、その中のロザリオをおれにくれようとする。
そんな大事そうなものは受け取れないので、何度の押し返すが本当に済まなそうな顔で何度も俺にそれを渡そうとする。
しかし、やっぱり受け取れないので断るとおばぁちゃんはそれを大事そうに巾着に戻し、再び済まなそうな顔。
おばあちゃん、本当にやさしいんだね。どうもありがとう。
その後、列車は無事、目的地のILAWAに到着。
おばぁちゃん、力一杯ハグしてくれて手を握りながら一生懸命何かを伝えようとしている。
私が電車を降りた後も、窓から身を乗り出して手を振ってくれた。
あの酔っ払いがいなければ、このあばぁちゃんとこんな風に別れを惜しむくらいにはなれなかっただろうと思うと、おっさんのことを簡単に許せた。
ちょっとほっこらした出会いでした。
ふなだいく